守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~

「ミサキさ……」

「海咲……」


2人はハッとしたように私を見ていた。
山瀨さんもチーフも驚いたように目を見開いている。
その理由はきっと私の頬を流れる涙にあるのだろう。


「私は……お2人とも大好きです。
だけど……私が好きな2人はそんな怖い顔なんてしないっ……」


嗚咽で聞き取りづらいはずなのに2人は嫌な顔1つ見せずに最後まで聞いてくれる。
そこもまた優しいところなんだ。


「……悪かった海咲。もう怖くねぇよ」

「チーフ……」

「俺はお前の泣いた顔が見たかった訳じゃねぇ。
海咲が俺を選んでくれるまでずっと待ってる。だから……」


チーフはそっと泣いている私の頬に手を伸ばした。
そして優しく涙を拭うと、いつもの不敵な笑みを浮かべた。


「俺以外の男にここ奪われるなよ」

「ちょっ! チーフのばかっ……」


そっと唇を指で突くとチーフは私たちに背を向ける。


「海咲。絶対、振り向かせてやるよ」

「……あっ」


言葉を返す暇も無くチーフは私たちの部屋から出て行った。