「……何やってんだよアイツは……」


チーフは呆れきった顔で山瀨さんを見ていた。
山瀨さんは見た目は出来る男っぽいのに、おっちょこちょいというギャップ差を持っている。


まあ、仕事が出来ないわけでは無い。
だって……。


「カズちゃんまたやらかしたな~」

「うー……すみません」


お客様にからかわれながら項垂れる山瀨さん。
そう、彼はあっという間にこの幸福寿司に馴染んでしまった。
お客様は山瀨さんをカズちゃんと呼び可愛がってくれている。

それが1週間そこそこで出来るなんてただ者では無いだろう。

考えるように山瀨さんを見つめていれば、ふと視線が混じり合った。