「おい、起きてるか?」


扉越しに聞こえてくるのはチーフの声だった。
慌ててベッドから降りて扉に駆け寄る。


「は、はい起きてます!」


返事をするなりに扉は開きチーフの姿が露わになった。
彼は何かを確認する様に部屋を覗き込むと安堵のタメ息を漏らした。


「間に合ったか」

「え?」

「……何でもねぇよ。ほら」


チーフは山瀬さんが座っていた近くに何かを投げた。


「な、何ですかこれは……?」


投げられた青色の何かを持って山瀬さんはこっちへと近付いてくる。


「寝袋」


チーフは短く言い切ると私と山瀬さんを交互に見た。