「じゃ、じゃあ2人でベッドで寝ますか……?」


大胆な言葉が私の口から出てくる。
大将が変な事を言ったせいで私までおかしくなったみたいだ。
山瀬さんが風邪引くくらいなら一緒に寝た方がいい、なんて風に考えているし……。


「な、なっ、何言って……」

「私だって変な事を言っているって事は分かっています。でも2人が納得する形なんて無いと思うし……」

「それはそうですが……」


紅くなった顔。

視線は左右に揺れ落ち着かない様に瞬きをしている。


「……」

「……」


喋る事も出来ず、2人して黙り込んでしまう。
目を合わせようとする事もなく何気なしにベッドを見れば山瀬さんも同じ場所に目を向けていた。


「……あの……」

「ど、どうしましたか?」


思わず声を掛けたが何を話すかは決めていなかった。
少し黙り込んでいたが、ゆっくりと唇を動かした。