***
仕事を終えて、暖簾を下ろした店では大将とチーフ。
そして山瀬さんと私が佇んでいた。
「どうだった? 初日は」
「こういった経験はあまりなかったので新鮮です!」
大将の問いに、いつもと変わらない笑顔を浮かべる山瀬さん。
疲れなんて微塵も感じさせなくて頼もしいとさえ思ってしまう。
「そうか、大物だな! 水沢も海咲も初日はグッタリだったからな」
その時の事を思い出したのか大将は笑いながら私とチーフを見ていた。
チーフも私もバツが悪そうに顔を顰める事しか出来ない。
黙り込んでいれば、大将が山瀬さんにある物を渡した。
「これは店の鍵だ」
「え……」
「これでお前も今日からウチの一員だからな!」
大将の言葉に目を輝かせながら鍵を見つめる山瀬さん。
よっぽど嬉しいのか小刻みに体を震わせている。
「あ、ありがとうございます!!」
大声にチーフは迷惑そうに顔を顰め、大将は豪快に笑っていた。
私はというと微笑ましくて、山瀬さんの横顔を見つめながら口元を緩ませた。
仕事を終えて、暖簾を下ろした店では大将とチーフ。
そして山瀬さんと私が佇んでいた。
「どうだった? 初日は」
「こういった経験はあまりなかったので新鮮です!」
大将の問いに、いつもと変わらない笑顔を浮かべる山瀬さん。
疲れなんて微塵も感じさせなくて頼もしいとさえ思ってしまう。
「そうか、大物だな! 水沢も海咲も初日はグッタリだったからな」
その時の事を思い出したのか大将は笑いながら私とチーフを見ていた。
チーフも私もバツが悪そうに顔を顰める事しか出来ない。
黙り込んでいれば、大将が山瀬さんにある物を渡した。
「これは店の鍵だ」
「え……」
「これでお前も今日からウチの一員だからな!」
大将の言葉に目を輝かせながら鍵を見つめる山瀬さん。
よっぽど嬉しいのか小刻みに体を震わせている。
「あ、ありがとうございます!!」
大声にチーフは迷惑そうに顔を顰め、大将は豪快に笑っていた。
私はというと微笑ましくて、山瀬さんの横顔を見つめながら口元を緩ませた。


