守りたい、不器用な人。~貴方と始める最後の恋~

「……俺は反対だ」


チーフはそれだけ言って奥へと引っ込んでしまった。
それを見た大将が深くタメ息を漏らし山瀬さんへと視線を送った。


「とりあえず、続きは閉店後だ。少し残っていてくれるか?」

「は、はい!」

「よっし。海咲も仕事に戻れ」

「……はい」


山瀬さんの事が気になり、視線を向ければ彼もまた私を見ていた。
満面な笑みを浮かべて頷く山瀬さんに応える様に私も軽く頷いた。