「そう。紫織さんは、なにもしていなかった?」

「そうねぇ。クラスメイトにはイライラなさっていたけど。」

そうかと、お母様は、ニコリと笑った。

これからも、願いたいことだ。
彼女が、なにもしない事を。

「ねぇ、舞亜。」

「なに?」

「防いでね。全てを。またあの事を繰り返す前に…………」

「承知しています。」