ムスカに言えば貰えると1言言って、自分の部屋に消えたアジサ。
服の管理してるのムスカなんだ…
「ムスカー?どこー?」
「どうしたんだ?リトルガール」
「あ、ムスカ」
後ろに立っていたムスカ。
手には黒い服が抱えられている。
「あ、それ。私も欲しい」
「あぁ。この服か?もちろんだ♪スノーの為に持ってきたんだ♪」
「え、そうなの?ありがとう!」
そう言って、スーツらしきものを受け取る。
と言っても、制服とそんなに変わらない
しいて言えば、色が黒になった事だ。
「てか、このスカートフリル付いてない?」
「あぁ♪俺が付けた。可愛いと思ってな♪」
「完全にムスカの趣味だね」
「うっ…」
バレたかとでも言うような顔をしている。
これをアジサが見たらなんと言うか。
「でもありがと♪これで洋服が増えた♪」
「新しいのが欲しくなったらいつでも言ってくれたまえ♪」
「うん!」
もしかして、ファミリーの着てる服、全部ムスカが取り寄せたのかな?
着てみて分かったこと。
「なんでムスカは私の服のサイズ知ってるんだろう…………」
大きすぎず、小さすぎず、ちょうど良い大きさの服。スカートもふんわりしていてフリルがちょうどいいアクセントだ。
「あっ!紺色のカーディガンがあったんだ!この変な上着じゃなくて、そっち着て行こ♪」
ワンポイントがついているお父さんから貰った紺色のカーディガン。
当時はダサいと思って着なかったな…………。
「なんだ。案外可愛いじゃん?」
今は亡き父から貰った物は、かたみとして大事にしよう。
そう思えたのだった。