理久に全部話してスッキリした。


あの屋上まで理久に連れて行ってもらわなかったら、ずっとモヤモヤして、ブルーだっただろぅなぁ~…


理久はいつも私の話を聞いてくれる。


いつでも私の味方でいてくれる。


そんな理久が、大好き。


あぁ…幼馴染みだから、当たり前かぁ〜…



「だぁーかぁーらぁー、幼馴染みの好きって、なんなの?」

屋上で理久に話を聞いてもらった後、教室に戻ると、私の特に仲のいい女友達、2人が寄ってきてくれた。

理久と一緒だったから、なんで?って顔してたけど…告白のことは全く聞いてこなかった。

そして席に座ってからの話題はというと…

「幼馴染みの好きの意味がわからない。」

話題を持ち出したのは、明るく元気な“加奈ちゃん”。

その話にのってきたのは、クールな“薺ちゃん”。

なんで今この話なんだろぅ?と思いながら、自分の席の前と斜め前の席から、椅子の向きを変えて興味しんしんで聞いてくる2人。

幼馴染みの好きって、そんなの…

「幼馴染みとして好き!だよぉ?言葉の通りじゃん?」

私は、当たり前のことを言ったのに、2人は納得してないみたい…

「薺、私わかんないよ…幼馴染みの好きって、恋愛の好きと違うの?」

加奈ちゃんが言ってきた。

んん〜…全然違うなぁ~

「幼馴染みとしての好きはぁ、幼馴染みとしての好きだよぉ!!」

私は言い返したけれど…

そぉいえば、幼馴染みの好きってなんだろぅ?…

「なぁ、美明莉ちゃん。恋愛感情じゃないのか?」

薺ちゃんが聞いてきた。

恋愛…?ん~違うなぁ。

幼馴染みは、友達以上、家族未満の関係。

だから、好き?って言われたら…

…あぁ、正直困るなぁ(汗)

「美明莉ちゃん、幼馴染みを特別って思ったことないの?」

特別?かぁ…そんなの特別に決まってるよぉ!

でも…私たちは、恋人じゃないから、2人が思っているような特別じゃぁない…

「美明莉ちゃん?聞いてる?」

「おぃ!美明莉ちゃん!!…ダメだ加奈、美明莉ちゃんは聞いていない。自分の世界に入っている。」

ん〜〜どんなに考えても、わかんないなぁ〜…

「美明莉ちゃん!ねぇねぇ!!」

…あぁ、なんかぁ…

「お腹すいたなぁ〜〜…」

空腹だよぉ。でも、お昼は食べたのになぁ…

それよりも、2人の質問に答えるの忘れてたよぉ!

あ…ほぼ聞いてなかったけどね…(汗)

「美明莉ちゃん!チョコいる?!」

「!!!いるぅ〜〜!!!」

パクっと加奈ちゃんの指からチョコを食べる。

美味しぃ~~

加奈ちゃんっありがとぉぉ〜〜!!

「はあ…美明莉ちゃんは甘い物大好きだよな。」

呆れたように言う薺ちゃんだけど…なんか嬉しそうな顔してるぅ~?

あぁ、楽しそぅなのかぁ!

あれ?でも、なにか忘れているような…


「おぃ美明莉ぃ〜!お前また甘い物食ってんのか?太るぜ?(笑)」

あぁ、やっぱり…

「口出ししないでよぉ!バカ理久ぅ!!」

私たちの席の横に立っている理久は、私の顔を見て大笑い。

ねぇ、さっきと態度違うでしょ?

そぅ、理久はいつもはこんな感じなの。

私をからかったりする、私の一番のケンカ友達なのぉ!

あれ?さっきと言ってること違うかなぁ?(笑)

「もー、また始まったよ…」

加奈ちゃんたちが、呆れた顔で私たちのことを見ている…

「もー、慣れたな。」

でも、やっぱり笑っているみたい。


これは私の日常。

話をしたり、お菓子を食べあう友達がいて、あと理久がいる…

みんな私の大切な仲間たちです!


「ねぇ、俺のこと忘れてない?(笑)」

ん?あっ…

「陵哉くん!」

わ、忘れていたわけでは…(汗)

「忘れないでくれる?(笑)」

陵哉くんは、理久と仲良しです。

理久が私とよく一緒にいるから、自然と陵哉くんとも、仲良くなったの。

「わ、忘れてなんか…」

「つか、なに?」

忘れてなんかないって言おうとしたのに…理久に言葉を被せられてしまった…

「ちょ!ひどっ!!いつも一緒にいんじゃん!!」

「ハハハッ、わりーわりー、陵哉(笑)」

陵哉くんは、クラスの男子のムードメーカーっていうのかなぁ?

明るくて元気でぇ、人を笑わせてくれるっていうかぁ?

彼も、大切な仲間の1人です。(笑)


「ねぇちょっと、ガールズトークしてるから、あっちいってて!!」

口を開いたのは加奈ちゃん。

ん?ガールズトーク?

「あー、はいはい。おぃ美明莉っ!あんま食い過ぎんなよ。(笑)」

理久が満面の笑みで私に言った…

…?

なんだろぅ?なんだか、一瞬理久のからかう笑顔が、キラキラ輝いて見えたの…


「ねぇ美明莉ちゃん、さっきの話に戻るけど、幼馴染みの好きってなに?」

加奈ちゃん…それまだ続いてたんだ…(汗)

「ん〜〜そぅだなぁ…しいて言うなら…」


その時、運良く?悪く?チャイムがなった。

ラッキー!

授業始めのチャイムではないけれど、あと10分で5時間目の授業が始まる。

その間、加奈ちゃんはトイレに行ってしまった。

はぁ〜〜…

薺ちゃんと2人になって、彼女には聞こえないよぅに、心の中でため息をついた。


ふと、理久のいる、右隣のそのまた隣の席を見た。

…あれ?

陵哉くんと楽しそぅに話している理久だけど…服の2番目のボタンが取れかかっている?

じぃ〜〜っと理久を見ていたら、薺ちゃんに

「行ってくれば?」

と言われた。

…鋭いなぁ~。(笑)

クールな薺ちゃんは、無表情で言ってきた。

「あ、うん。ちょっと行ってくるねぇ。」

私は薺ちゃんに笑顔で返事して、席から立ち上がり、理久の方へ行った。


私が、理久の所へ行くと、丁度陵哉くんが一番後ろの自分の席に戻る所だった。

陵哉くんと入れ違いで、理久に近づくと理久が、どした?と言って私を見てきた。


ん〜〜…なんでさっきキラキラして見えたんだろぅなぁ~?

まぁ、いいや…

「理久、ボタン取れそぅだよ~ぉ?」

一瞬理久は、?という顔をしたけれど、取れそうなボタンを見て、暗くなる。

「まじかよぉ〜…いつからだよ、最悪だぁ〜…」

理久は、チャラいけど、こういうことには厳しい。

几帳面っていうのかなぁ?(笑)

「私、直そぅか?あと7分あるしぃ、直せるよ~ぉ?」

7分ならいけよねぉ!?

そぅ思っていたら、理久がパァーッと明るくなって

「まじっ!?お願いしまっす!!」

無邪気な笑顔は、まるで小学生の男の子みたい。(笑)

「了解~!じゃぁ〜やってしまいま…」


「美明莉〜〜?」

その時だった、誰かが私を呼んだのは。

ドアの方からだと思う。

だってこの声は…

「“浬”ぃぃ〜〜!!!」