『ねぇねぇ、理久っ。お姫様抱っこできるぅ?』



『無理だよ…俺、美明莉落としちゃうかもしんないよ…』



『それなら、俺がしてあげるっ』



『あっ!浬っ!』







『キャーッ♡お姫様になったみたぁ~い!!』







『美明莉は、いつもお姫様みたいだよっ』







『!!浬ぃ~!ありがとぉ~♡』












取り残された気分だった。



小学生の時に交わしたこの会話が、ずっと頭に残っていて…離れなくて…



なんであの時恥ずかしがって、いいよって言えなかったのか…



ずっとずっと、後悔していた…





女の子を運んだ事がない。…


未遂に終わったあの小学生の時から、もう何年も経つのに、女の子を運んだ記憶はない。


美明莉がふざけて飛び乗ってきて、おんぶした事はあるけど…


意識が朦朧としている美明莉をどうやって運んでいいのかわからない。