僕は、君を知らない。
君は、衝撃的に僕の前に現れた。
君はいつも、強烈な色を僕の中に残す。
でも、君に。
どうしても君に、言わなければならないことがある。
君は、僕を、知らない。
嘘をつくことと、本当のことを隠しているのとでは、どのくらい違うのだろう。
君は、どちらを望むだろう。
僕の後ろを、きっと、どこまでもついてくる、君は。
その存在を、無視することはできない、原色の光。
君は笑う。
僕のために、笑う。
楽しくて楽しくて仕方がないと、文字に書いたように笑う。
君には、嘘がない。
君は何にも嘘をついていないことが、体中からあふれてる。
だから、僕も君に嘘はつけない。
君に、本当のことを言わずにはいられない。
君に、言わなければならないことがある。
君は、僕を、好きだろう?
それだけを、僕は知っている。
君は、泣くだろうか。
僕が、君のそばにいられないことを知って。
僕が、どこまでも君をつれていってはあげられないことを知って。
君の手を、僕がひいてあげられないことを知って。
僕に、守るべき優しい人がいることを知って。
「彼女が、いるんだ」
原色の光がゆらぐ。
君は、泣くだろう。
無意識に、僕の手は、君の髪に触れようとする。
ずっと君に触れることのなかった、僕の手が。
君がずっと、そうしてもらいたかったことを、しようとする。
「知ってた」