そして、もし、君を抱きしめることができたら…。
僕は、君の黄色に、きっと溶けてしまう。
その、あたたかさに。
もう、どうしようもなく、君に会いたくて。
ただ、ひたすら君に、会いたくて。
また、会える?
もう、会えない?
言葉にして、伝えなかったことを、いつも後悔するんだ。
たとえば君に届かなかったとしても。
せめて、その音だけでも、伝えておけばよかったと。
…本当は、僕の方ができないんだ。
君を、信じることが。
君の黄色は、僕だけのものじゃあないことを、十分知ってるんだ。
だから僕は、こんなにも君に会いたいんだと、押しつけがましく、くり返す。
届きはしない、のか。
遠く、遠く離れている、から。
どうして、せっかく君と出逢えた奇跡を。
この、素晴らしい偶然を。
そんなチンケな理由であきらめられる?
無理だよ。
どうしても、無理だよ。
会いたい。会いたい。
たったひとり、僕の為に。
目を閉じて、君を思う。
黄色の、君を。
両腕を広げて、君を待つ。
飛び込んでくるはずのない、君を待つ。
会いたい。
きっと、これは、愛。
そう、僕はきっと、もう、君を………。

目を開けて確認する。
近づいてくる、まぶしい、黄色。
疑う余地もない。
信じるとか、信じられないとか、そんなことは忘れてしまうほど。
また会えるとか、もう、会えないとか、そんなことは考えられないほど。
遠く離れていたことは、幻だったかのように。
こんなにもそばに、あたたかい君がいる。
僕の目に飛び込んでくる、黄色。
これだけが、現実。
これだけが、真実。
こんなにも自然に、僕の腕の中に、すっぽりとおさまる、黄色。
「会いたかった…」
僕が言ったのか、君が言ったのか、それはわからなかったけれど。
そんな音が、聞こえた。