何日も雨が続いて、心がもうヘトヘトになっていた。
ガラス越しの君にキスをしても、僕はちっとも上を向くことができなかった。
くずれそうな君。
倒れそうな僕。
必死でつながろうとする、馬鹿な努力。
限界だと思っていた。
気づいていた。
僕たちにはもう、何もできることがない。
ほら、早く、その鎖をほどいて逃げるんだ。
君は動かない。
ただ黙って僕を見ている。
救いなど、ないよ。
君を助けることも、許すことも、僕にはできない。
さわがしい日常に戻る気など、毛頭ないから。
僕は、どっちにしろ、ひとりぽっち。
だから、いいよ。
君は戻っていいよ。
いても、いなくても同じだから。
ほら、早く。
もう、太陽を見ることはあきらめて。
僕が泣き出す、その前に…。

ねぇ、もう、正気じゃあバランスをとれなくなってるの?
寂しがって泣くことないよ。
きっと大丈夫。
ごめんね。
たったひとり君だけを愛せなくて。
後から後からあふれるよ。
もう、いいのに。
止めなくても。

実にゴージャスなことに、あなたはまるでツンツルテンで、私の心を魅了する。
あぁ、人は何も持ってないからこそ、心で生きてゆけるのであって、例えば、すっぱだかのあなたも、なんて高貴に見えるのかしら?
あなたの耳の鼓膜が破れるくらい感じさせて。
何度も求める私を、拒まないで愛してよね。
たまらなく欲情してしまって、もう、ただ止まらなくなってしまった。
抱きしめて、嘘をついて、最後まで笑っていて。
こんなにも好きだけど。
こんなにもいらないんだ。

どこへ行きたいんだ。
何がしたいんだ、僕は。と問いただす。
どこにも行かない。
何もしたくない。
誰にも会いたくないのに、人恋しくて。
絶望するんだ。
生きていることに。
やっぱり僕は、生きている。
そんな痛い気持ちがあるかよ。
そしてきっと、明日も生きていることが、こんなにも苦しいのに。