本当の気持ちを言わない僕を、どうか怒らないで。
じれったそうに見ていないで。
君は僕の、たったひとつの真実の証。
それなのに。
君に伝える言葉は、何もないんだ。
いや本当は、いっぱい、いっぱいあるんだけど。
どうしてなんだろうね。
君に会うと、何も言えなくなってしまうのは。
僕の目の前にいる君は、会えないときの君よりも、だいぶ桃色で。
あぁ、ずっとピンクなんだと思ってたって。
その事ばっかり考えてしまうんだ。
でも、会えない時間が長くて、長くて。
僕の中の君が、ピンクの時間が長くて、長くて。
そうだと思っちゃうこともあるよ。
もしかしたら、そっちが真実なんじゃないかと、思っちゃうこともあるよ。
けれど、君は、本当は桃色。
会うと、桃色。
にこりと笑って、僕を抱きしめるその腕も。
僕に触られる上半身も。僕に委ねる、下半身も。
心の中も、髪の毛の色だって桃色だ。
どうして、忘れたりするんだろう?
どうして忘れちゃうんだろう?
君は、こんなにも真実を教えてくれるのに。
君はとっても純粋なのに。
キスをして、抱きしめて。
僕の中のピンク色の君を、どうか忘れられますように。
会いたい。
君に、もっと、もっと会いたい。
毎日会うだけじゃ、足りないほど。
君の真実を。
ずっと、ずっと見ていたい。
そしてそれは、僕の真実なのだから。
僕の用意した言葉は、いつも、ピンクの君宛。
だから、何にも言葉がなくなってしまうんだよ。
ただ、僕を見つめ続ける君を、どうしようもなく抱きしめることさえできずに。
「アタシに、会いたかった?」
いつも、君が先に沈黙をやぶる。
ああ、そうさ。
君の中の僕は、ねぇ、この僕と同じ僕なのかい?
僕は、返事すら持ち合わせていない。
ごめんね。
格好つけてるわけじゃないんだよ?
「アタシは、会いたかったよ?」
君の言葉は、嘘がなくて。
少なくとも僕には、そんなものは感じられなくて。
こんなにも愛しくて、こんなにも、愛していると思うのに。
僕の中のピンクの君は、僕を騙し続けるんだ。
僕が信じられなかったら、真実なんてあり得ない。
僕の中に、ピンクの君が居る限り…。