「私なんでこんなとこにいるわけ?」


気温は3℃。寒すぎるでしょ。


MA-1にジョガーパンツっていう
見た目的には暖かそうな格好をして私は




今となってはもう来る必要のない、

ううん、
来てはいけないはずの場所にいた。




もう1年前になる。

大好きだった彼氏と別れて
1年が経とうとしてる。



それだけの時間が過ぎてるのに
私はいまだにこの状況が信じられない。



1年前は2人とも笑ってた。

1年前は大好きって言い合ってた。


1年前は…

「ずっと一緒にいよう」


言ってくれてたのになぁ。



彼の家によくお邪魔してた私は
今日たまたま近くまで来たのを理由に



彼の家の最寄りのバス停から
1年ぶりにバスに乗ってみた。


最寄りっていっても彼の家から距離は結構ある。
だから私がここに来てしまったことは
彼にも、彼の家族にも知られてない。





「ストーカーみたいだよな本当に」



呟いた時、遠くにバスの光が見えた。



バスを待ってる間は
寒いから早く来てほしいような、
でもずっとこのままでもいいような、
不思議な感じがしてた。




バスの中に乗り込んだらすぐに
持ってたカイロが冷たくなってきた。



タイミングいいっていうか
悪いっていうか。





あ〜、馬鹿みたい。

こんなことしててもキモいだけだし
ストーカーじゃん。馬鹿みたい。





自分の行動を自虐しながら
窓の外を見た。





1年前は2人で見てた景色。




ため息ついたら涙もにじんできた。