死神女子高生!

しとしと降り注ぐ雨がポツリポツリとカサの表面を優しく、そして せわしなく叩く音が、道路の水溜まりから水を跳ねあげる車の音と共にあたしの耳に入って来る。

ミコトと他愛もない話をしながら、日が暮れて暗くなった道を一緒に歩いていた。
一定間隔で設けられた街灯の光が近付くたびに、あたしとミコトの影は伸びたり縮んだり変化している。

「でね、そのときの豊島先生の顔ったらすごかったらしいよ。恵美なんかまだ思い出しちゃあ笑いそうになるって」
「あはは、そりゃそうだろねー」
「あと、ここからがまた面白くてさ……あ!」
「何、どしたの?」

急に立ち止まって話を中断したミコトを不思議に思って、ちょっと首を傾けて顔を覗いてみると、ミコトは片手を額に当てて苦々しげな表情でふうとため息をこぼした。

「明日提出の課題、学校に置いて来ちゃった……」
「ええ!?何やってんのもう…」

課題を出したのは確か無駄に厳しいことで有名な城内先生だ。
やるの忘れました~なんて軽く言ったらたっぷり絞られること間違いない。

「うわあどうしよう…!」
「い、今から取って来たら?」

ミコトは少しうなって悩んでから、あたしの提案に頷いた。

「そうする…」