つまりイザナミはおとぎ話と同じ、もちろん現実にはいないし、たとえあれが本当の話だったと仮定したって彼女は死者の国にいるんだから、やっぱりこの世界にはいない。
どの道ありえない話だ。これを書いたのが誰か知らないが、本気で心配になってきた。
「世の中こんな人もいるんだね…」
「ちょっと、朝香?どうしてこっちを見るのかな?」
引きつった笑いを浮かべるミコトからそっぽを向いて、べっつにーと素っ気なく返す。
でもその冷たい態度も長くはもたなくて、ふふ、と吹き出してあたしは笑った。
「ミコトってば焦りすぎ~」
「だってそれは仕方なくない!?」
と、ミコトが大声で言ってきたものだから、あたしは更におかしくなって盛大に笑った。
ミコトもつられて笑いだす。あたしたちは、やっといつも通りにニッコリ笑いあって、昇降口から外へ向かった。
あの手紙は誰かのおふざけか、間違えてあたしの下駄箱にうっかり入れちゃったかのどちらかに違いない。
元々あんな短い文章しか書かれていない紙のことなんか気にする方が損だ。
あたしは『死神代行代理人』のことはきれいさっぱり忘れることにして、コンビニで買っておいた一面真っ黒な折り畳み傘を開いた。
どの道ありえない話だ。これを書いたのが誰か知らないが、本気で心配になってきた。
「世の中こんな人もいるんだね…」
「ちょっと、朝香?どうしてこっちを見るのかな?」
引きつった笑いを浮かべるミコトからそっぽを向いて、べっつにーと素っ気なく返す。
でもその冷たい態度も長くはもたなくて、ふふ、と吹き出してあたしは笑った。
「ミコトってば焦りすぎ~」
「だってそれは仕方なくない!?」
と、ミコトが大声で言ってきたものだから、あたしは更におかしくなって盛大に笑った。
ミコトもつられて笑いだす。あたしたちは、やっといつも通りにニッコリ笑いあって、昇降口から外へ向かった。
あの手紙は誰かのおふざけか、間違えてあたしの下駄箱にうっかり入れちゃったかのどちらかに違いない。
元々あんな短い文章しか書かれていない紙のことなんか気にする方が損だ。
あたしは『死神代行代理人』のことはきれいさっぱり忘れることにして、コンビニで買っておいた一面真っ黒な折り畳み傘を開いた。
