死神女子高生！

そこには、見たことがない字体だけど、ワープロか何かで打っただろうと思われる機械的な文字の羅列が、たった一行だけあった。

――あなたを死神代行代理人に任命します。

「…何なのこれ」

出した奴、不注意なだけじゃなく電波なんじゃないのか。
現実とフィクションの区別もつかないカワイソウな人なのかもしれない。
もしくは単にこうして思わせぶりに下駄箱に突っ込んで、あたしをガッカリさせるのが目的だったのだろう。

「はい、パス…」

あたしにもやっと春が来たと思ったのに…。そう思いながら、投げやりに紙をミコトに押し付けた。
春が来たのは出した奴の脳みそだけだったなんて、ああもうやり切れない。

「ちょ、どうしたの急に…って、何これ」
「死神代行代理人だってさ…」
「いや、代行代理って何！？」
「それだけ下っ端ってことじゃないの…？」

いきなりそんな悲しい立場ってのもすごいね、とミコトも苦笑いだ。

「あ、これ見て朝香」
「何よ、まだガッカリイリュージョンが待ってるの？」

すねた目でちらりとミコトの方を見る。
ミコトは紙を裏返して、ある一点を指差した。

「ほら、何か書いてあるよ」