死神女子高生!

メリーさんだって?
それは有名な都市伝説の女の子の名前じゃないか。
あたしは背筋が凍るような思いで、危うく携帯を落としそうになるが、負けてたまるかと気持ちを強くもって逆に握り締めた。

「どういうこと!?家に電話をしてきたのは君なの?」
「バカね、そんなわけないでしょ。わたしみたいなコドモの言うこと、オトナが信用するとおもうの?」

やれやれ、とでも言いたげにふうと息をついた気配が、電話越しに伝わって来た。

「ある人に協力してもらったのよ。だから掛けたのはそいつ。まあ、あんたに教える義務はないけどね」
「じゃあ、そっちの目的は何なの。ミコトは無事なんだよね?」
「今のところは。無事に返して欲しかったら、学校まで来なさい」

じゃあまた、と鈴を転がすようにかわいらしく笑ってメリーさんはプツリと一方的に電話を切った。

「あっ!ちょっと待って!」

今度はこっちから電話を掛け直すためディスプレイを確認したが、何故か画面は真っ暗だった。電源が落ちたのか、と電源ボタンを押し続けても何も起こらない。
やっぱり壊れている。

「幽霊さん、どうすればいいの、あたし…」

泣きそうになって幽霊の方をすがるように見た。