あたしの部屋は階段を上ってすぐ左にある、六畳間だ。
どうしても和室がいいと無理を言ってここにしてもらった、あたしの自慢の部屋。
あたしは扉を開いて……すぐピシャリと勢い良く閉じた。
「あれれ~?おかしいなあ、なんか幻覚が…」
どこかの小さな名探偵のような芝居染みたセリフを言ってしまってから、後悔した。
あれれ~って何だよあたし。
でも、本当にあっちゃいけないものが見えてしまって、内心冷や汗ダラダラだった。
一回深呼吸をすれば消えているかもしれない。そう、きっとあたしは疲れているだけだ。
すうと空気を肺に送り込み、はあと一気に押し出す。
それを二、三回繰り返してから、もう一度扉を開けた。
「お邪魔してます」
まだ見えてる。しかも喋ったし。
それは、さっきの自称幽霊がのほほんと微笑みながら膝を抱えて座り込んでいる幻覚だった。
「ちょっ…ぇぇええええっ!?」
待って、何で体育座りしてんの?
いや、違う違う、今はそんなことどうでも良いよ。
問題は、何故この人があたしの部屋にナチュラルに不法侵入しているのか、どうしてあたしより先に家まで辿り着いたのか、そもそもどうやってあたしの家を知ったのか、とけっこうたくさんあった。
どうしても和室がいいと無理を言ってここにしてもらった、あたしの自慢の部屋。
あたしは扉を開いて……すぐピシャリと勢い良く閉じた。
「あれれ~?おかしいなあ、なんか幻覚が…」
どこかの小さな名探偵のような芝居染みたセリフを言ってしまってから、後悔した。
あれれ~って何だよあたし。
でも、本当にあっちゃいけないものが見えてしまって、内心冷や汗ダラダラだった。
一回深呼吸をすれば消えているかもしれない。そう、きっとあたしは疲れているだけだ。
すうと空気を肺に送り込み、はあと一気に押し出す。
それを二、三回繰り返してから、もう一度扉を開けた。
「お邪魔してます」
まだ見えてる。しかも喋ったし。
それは、さっきの自称幽霊がのほほんと微笑みながら膝を抱えて座り込んでいる幻覚だった。
「ちょっ…ぇぇええええっ!?」
待って、何で体育座りしてんの?
いや、違う違う、今はそんなことどうでも良いよ。
問題は、何故この人があたしの部屋にナチュラルに不法侵入しているのか、どうしてあたしより先に家まで辿り着いたのか、そもそもどうやってあたしの家を知ったのか、とけっこうたくさんあった。
