あたしの不安とは正反対に、男は「ああ、やっぱり」と嬉しそうに眩しい笑顔を浮かべる。
見た感じ、とりあえずは悪い人ではなさそうだけど、人は見掛けによらないと言うし。あたしは男からこっそり距離を取った。
「あなた、どなたですか?」
用心深く尋ねる。
男はきょとんとしてから、自分が名乗っていないことに気付いて「これは失礼しました」と、言葉とは裏腹にあんまり気にしてなさそうな調子でさらりと言った。
「僕は柳の……幽霊ですよ、多分」
「はあ?」
幽霊?
あたしはあからさまに変な顔をして自称幽霊さんをまじまじと見た。
幽霊には足がないと言う話だが、この人にはちゃんと足がしっかりある。
そもそも『多分』って何だ?
自分のことなのに、いくらなんでも自信がなさすぎだろう。
「足あるじゃないですか」
あたしは自称幽霊に一番怪しい点をストレートに言ってみた。
「幽霊で、足があったらいけませんか?」
けれど幽霊さんは小首を傾げて、かえってあたしを不思議そうに見つめる始末だ。
ああ、なんか、この人ヤバイ。関わったらいけないタイプの人だ。
あたしは直感的にそう思った。
見た感じ、とりあえずは悪い人ではなさそうだけど、人は見掛けによらないと言うし。あたしは男からこっそり距離を取った。
「あなた、どなたですか?」
用心深く尋ねる。
男はきょとんとしてから、自分が名乗っていないことに気付いて「これは失礼しました」と、言葉とは裏腹にあんまり気にしてなさそうな調子でさらりと言った。
「僕は柳の……幽霊ですよ、多分」
「はあ?」
幽霊?
あたしはあからさまに変な顔をして自称幽霊さんをまじまじと見た。
幽霊には足がないと言う話だが、この人にはちゃんと足がしっかりある。
そもそも『多分』って何だ?
自分のことなのに、いくらなんでも自信がなさすぎだろう。
「足あるじゃないですか」
あたしは自称幽霊に一番怪しい点をストレートに言ってみた。
「幽霊で、足があったらいけませんか?」
けれど幽霊さんは小首を傾げて、かえってあたしを不思議そうに見つめる始末だ。
ああ、なんか、この人ヤバイ。関わったらいけないタイプの人だ。
あたしは直感的にそう思った。
