こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

固くなった表情のわたしを余所に、晋は何も気にせずお弁当に手をつけ始める。


「その分親父がうぜぇくらい溺愛してくっけどな。俺と深瀬が同じ施設だったのは知ってんだろ?」

「…え?」


同じ、施設?

深瀬くんって施設育ちなの?


「…その顔、知らなかったのか?」


わたしに目を向け、普通の顔をして箸を進める晋。

対しわたしはお弁当を広げた手が止まっていた。

知らなかった深瀬くんの事実に、思考が一瞬停止していた。


──だから養子なんだ。義理のお母さんなんだ。


「……」

「お前ら本当にデキてんのかよ。まぁ別に話す必要もねぇか」

「…腐れ縁ってそういうこと?」

「ああ。深瀬が先に引き取られて、あいつの親が松平に俺を薦めたんだよ。松平は女癖がひどくて結婚する気はねぇが子供は欲しいっつってな。俺と深瀬が施設で仲良かったってのと、何よりお互い賢かったから選ばれた」

「賢いから?選ばれるの?なんで?」

「そのままだ。深瀬家は跡取りの為に頭のいい奴を探してたんだよ。当時並外れた知力なのが深瀬だった。だから深瀬家はあいつを選んだんだよ」

「…そう、なんだ…」


養子にする時ってそういうものなの?

賢いからって養子にするものなの?


感覚がわかんないけど、それが普通なのかな。