こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

他に思いつく場所がなく、結局定番になってしまっている屋上へ。

二人だけの場所だったのにわたしが広めちゃってる気がする。


深瀬くん、怒るかな?…怒るだろうな…。

いやそれ以前にわたし、別に晋と仲良いわけじゃないんですけどね。この状況、意味不明。


「なんだよ、深瀬といちゃついてる場所かよ」


いつも深瀬くんがいるベンチに座り、皮肉まじりに晋が言う。


「そうならいいんですけどね。ていうかいつの間に退院して入学してたの?」

「今日」

「今日?!早くない?!怪我、大丈夫なの?!」

「俺は深瀬ほどじゃねーから。んな大して怪我はしてねーよ。まともなガッコが久しぶりで、すげーギャップだわ」

「まぁそうでしょうね」


あの学校は色々と並外れていますからね。


「深瀬の奴、こんなクソまじめなガッコ、ちゃんと通えてんのかよ」

「一応ね」

「一応かよ」

「わ、晋のお弁当すごくない?!お母さんが作ったの?!」


いやはや、お弁当箱からして豪華なんですけど!

中身も見たことがないような高級食材が詰まってて、わたしのとは大違いだわ!

ってごめんねお母さん。一生懸命作ってくれてるのに。


「ちげーよ。つーかいねぇし」

「え?」

「俺には母親なんてもん、いねーよ」

「…あ、そう、なんだ…」


だめだなわたし。こういう時なんて言ったらいいかわからない。