こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

深瀬くんがもぞもぞと動く音がする。

心臓が跳ね上がりお母さんを見ると、わたしよりも驚き飛び跳ねていた。


「ごめんね!わたし帰るね!」

「ええっ?!」

「じゃあね咲良ちゃん!また会おうね!」

「えっ、あっ…」


バタバタと去っていくお母さん。

呆気にとられているうちに、病室に深瀬くんと二人きりになってしまっていた。


「…誰だようるっせーな」

「ふっ!深瀬くん!おはよう!」


わわわわ!起きちゃったよ!

焦る!なんとか誤魔化さないと!


わたわたしながら深瀬くんのベッドの横に行き椅子に座る。


「てめぇかよ。人が寝てるってのに、一人で何騒いでんだよ」

「ごめんねー!だってダーリン、わたしが来ても起きてくれないんだもん」

「だってじゃねぇよ。なんで俺がお前に合わせなきゃならねぇんだよ。しかも病人だっつーの」

「いやー、中身がそれだけ元気だと、病人扱いは難しいよね」

「このやろ」

「あ!そうだ!今日は皆、来てないの?」


ケーキの存在忘れてたよ!深瀬くんのお母さんに出せば良かった!

かなり緊張してたからな!うあー!失敗したなぁ!今思い出すなんて!


「知らね。来たところであいつらうるせぇからな。寝てたから来ねぇのかもしんねぇし」

「え、皆そんな気遣いできる人たちだったっけ?」

「俺、寝てると荒れるみてぇなんだよ」

「へ?荒れる?寝てると?」


どういうこと?