こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

う、うわ、なんかもう仕草も何もかも美しすぎて、目を合わせるのも厳しいかもしれない。

おばさんて言葉がここまで似合わないって、もうすごいとしか言いようがない。むしろお母さんって言葉も似合わない気がしなくもない。

深瀬くんのお母さんだなんて思いもしなかったくらいだもん。


「お世辞だなんて。事実を言ったまででございますから」

「やだもう。ありがとうね。圭悟にこんな可愛いお友達がいるなんて知らなかったな。一人で来るってことは、もしかして圭悟とお付き合いでもしてるのかな?」

「え゛っ!そ、それはその…」


笑顔で普通にそこを突っ込むとは!しかも会って五分も経っていないのに!

侮れん!


「あ、ごめんね。いきなり聞かれても答えづらいよね」

「いえ…」


本当のことを言う必要があるかないかわからず、即答できないだけなんです。


「圭悟の交遊関係、わたし全然知らないから気になっちゃって。特に最近のことはさっぱりなの」

「そうなんですか」


悲しげに微笑んでいるところを見ると、寂しかったりするのかな?

あ…そういえば深瀬くん、お母さんの顔も見たくないとか言ってた気がする。


この人は深瀬くんの義理のお母さんなんだよね。

でもどうして深瀬くん、あんなことを言ったんだろう。


すごく柔らかくて、すごく素敵なお母さんに見えるのに。

ちゃんとこうして病室にだって来ているのに。


…あれ?今更だけど深瀬くんがよく思っていないお母さんにわたしが会うって、深瀬くん的にはどうなんだろう。