こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

病室に入ると、ベッドの上でスヤスヤと眠る深瀬くん。

の横に、栗色のカールがかったロングヘアが印象的な、品のある綺麗な女の人が立っていた。


「あっ、はい!あっ、えっと、すすすすみませんでした!失礼しましたっ!」


だだだ誰?!あの人!

なんだか世界が違う!オーラが違う!こりゃいかん!


「え?!まっ、待って!待ってちょうだい!」


ガバッと頭を下げドアを閉めようとしたら、引き止める大きな声が。


「わっ、わたし?!ですか?!」


めちゃくちゃ挙動不審になるわたし。

だって大げさなくらいの勢いで駆けつけ、引き止められたんだもの。そっちにびっくりしたわ。


「もちろん!圭悟のお友達なんでしょう?どうぞ気にせず入って」

「え…」

「ね?」

「あ、はい…」


気にせずって言われても…と思ったものの、綺麗でにこやかな笑顔につられ、いとも簡単に立ち去ろうとした気持ちを削除。ためらいながらも中に入った。


えっと、こちらの方は一体どちら様なんでしょうか。素晴らしく美人すぎて、会話するのもおこがましく感じてしまいますわ。


「圭悟、寝てるからこっちで少し話しましょう」

「…はい…失礼します…」


室内にあるソファーにテーブルを挟んで向かい合って座る。


深瀬くんのお見舞いに来たはずなのに、なぜこのような状況になってしまったんだろうか。