「澤田ぁ!!俺、年少なんて行きたくねぇよ!!助けてくれよ!!」

「──」


写真に写っているらしき人物が澤田にすがり出す。

鬼気迫る勢いの彼を、澤田は不快そうに見下ろした。


「俺も行きたくねぇ!!」

「澤田ー!!」

「…ったく、クソガキが。薬なんてな、ガキが遊び半分で踏み込んでいいモンじゃねーんだよ。年少以前に人間じゃいられなくなる。引き返せるうちに足洗っとくんだな」

「「「澤田ぁ!!」」」

「…」


澤田、あんまり仲間意識とか他人のことを考えるってなさそう。自分さえよければいいって感じに見えるんだけど、どう答えるんだろう。


「…お前らがバラした瞬間に、晋と深瀬の命はないと思え」

「──まだ救いようのあるガキだな。そこまでクソじゃなかったか」


…へぇ。

澤田、皆からそんな慕われていないのを自分で知っているはずなのに、こういう時は仲間思いなんだ。

意外も意外だわ。なんだ、思ったより鬼畜ではないのかな。


「逢川様、そろそろよろしいでしょうか」

「え?」

「なにやら松平組と澤田氏のやり取りを熱心に見入られておりましたので」


にこやかにわたしに声をかける庄司さん。

って、なにを真剣にわたしはこの人らの行く末を見守っていたんだ!

間違いなく深瀬くんの方が重要だってのに!