こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

「晋さんがいたっつーのにどうやって逃げたんだよ」

「おめー邪魔だな!おめーごとやっちまうぞ!」

「澤田ー!なんでこいつ解放したんだよ!」

「…俺じゃない」

「あ゛あ゛?!なんつった?!」

「晋、どういうつもりだ」

「「「……は?」」」


気づくとわたしの前に晋が立っていた。まるでわたし達を庇おうとしているみたいな立ち振る舞い。

すると澤田が晋をきつく睨みつける。


その様子にわたしを怒鳴りつけていた不良達は晋に視線を移していく。

それをいいことに、わたしはすかさず深瀬くんに抱きつき体を支えた。


「深瀬くん、大丈夫?大丈夫じゃないよね?ごめんね、ごめんね深瀬くん」

「…うるっせーな…引っ込んでろ…」

「深瀬く…」


どうしよう。体に力が全然入っていない。呼吸も荒い。

深瀬くんの大きな体を、なにがなんでも支えなきゃ。


そう思うのに深瀬くんを見ると胸が苦しいほど揺れ動く。

痣だらけの顔。血が滲む口元。目は半分も開いていない。


また視界が涙で滲んでいく。


「どういうつもりもなにもねぇよ」