こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

やっぱり、わたしの写メを撮った菊池…。


「よぉ深瀬。俺の顔、覚えてるか?」

「知らねぇよ。誰だてめぇ」

「ちっ、ムカつくな。まぁ、いつも即行でお前にやられっからな。そんな俺に殴られるってくそ悔しいだろ」

「喋ってる暇あったらさっさとやれよ、弱カス」

「──っ!うるっせえ!」

「──」

「「「ぅおー!!」」」


大きな鈍い音と歓声。


一見ボクシングの試合のようにも見えるけど、スポーツ要素はまるでない。


強い深瀬くんしか見たことがなかった分、一方的にやられる彼が信じられなくて、見ることに罪悪感さえ感じる。

できることなら深瀬くんと代わりたい。わたしが殴られる方が、ただじっと見ているより断然いい。


わたしは見ているだけしかできないの?どうにか彼を救う方法はないの?

見るからに痛そうで目を背けたくなった。なのに頬を思い切り殴られたはずの深瀬くんは、至って普通に立っている。


「やっぱおめーは一発くれぇじゃ、なんも効かねーな!大した奴だよ!」

「──!!」


──え?!一人一発じゃないの?!