こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

「あの女がどうなってもいいなら、別にこの場を去ってもいいけどね」

「…何で一人一発なんてめんどくせぇことすんだよ。まとめてやりゃいいだろ」

「そんなのつまんないでしょ。ただのリンチじゃすぐに終わって面白みがない。痛みや屈辱は長くじっくり味わってもらわないと。だから今回は道具も使わない。いくら勝敗がわかりきっていると言っても、結果が出るまでは楽しめるからね」

「くだらねぇな」

「ちなみに最後は俺だ。さぁ、どうする?」


だめ!深瀬くん!やめて、お願い──!!


「…てめぇのツラ拝むまでは、俺はぜってぇ負けねえ」

「──やれ」

「「「「「ぅおぉぉぉ!!!」」」」」


──倉庫内が揺れたかと思ったくらい、歓声が大きく響いた。

異様な雰囲気の盛り上がりに体中が震える。


本当に澤田が言った通りのことが始まるの?


不安で心配で怖くて、涙が止まらない。


呼吸が荒くなって、胸が痛い。


不自由な両手で涙を拭っている間に、一人目が深瀬くんに向かい合った。


あ、あれって…


「っしゃー!俺一発目ー!」

「ずりーぞ菊池ー!」

「「「ブー!!」」」