こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

「てめぇっ…!!」

「ん?あ、これ?この方がSMっぽくて良くない?ガムテじゃ普通だし。この女、ビッチらしいから興奮でもしてんじゃ」

「──!!」


深瀬くんは澤田の胸ぐらを掴み、今にも殴りかかる寸前、


「手を出したら、どうなるかわかってんだろ?」

「…っ、」


深瀬くんの手が止まる。


わたしの右隣に厳つい男が付いていた。左隣は晋…。


晋の右手には、バタフライナイフ。もちろんわたしに向けられている。


「『一人で』って指定した意味、わからないで来たわけじゃないでしょ?」

「…てめぇはどこまで腐ってんだよ」

「はっ、よく言うよ。この間はかなりやってくれたじゃないか。今日までずっと俺の腸は煮えくり返っていた。どれほどこの時を待ちわびたか、どれほどこの時を思い描いて苛立ちと殺意を誤魔化してきたか、わからないか?」

「そこまでのことなんてしてねぇだろ」

「お前が悪いんだろ。俺の思い通りにならない。むしろイラつかせることしかしない。お前のお陰で俺はどこまでも追い詰められるんだよ」


怒りに満ちていた深瀬くん。でも澤田と話していくうちに段々と気力を失っていくような、諦めにも似た表情になっていくような…。


「…どうすりゃ気が済むんだよ」

「何言ってんの?どうしたって気が済むわけないでしょ。でもまぁ、ちゃんと一人で来た勇気は買ってやろうかな」