こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

喜んでる場合じゃないのに、わたしったらどこまで馬鹿なんだろう。


息を切らしながらも冷静な面もちの彼の手に視線を移すと、制服のリボン──。

もしかしてと思い胸元を見ると、わたしのリボンはなかった。


わたしが気を失っている間に盗ったんだ。深瀬くんが用意してくれた制服なのに…。


「ははっ!やばい、本当に一人?外さないな~!」


大笑いし手を叩く澤田。それに対し、冷静だと思われた深瀬くんの表情は怒りに満ちているよう。


「てめぇが一人で来いっつったんだろうが」

「マジで来るところが素直で馬鹿なんだよねー。んで?そのカスに今からヤラれるってどういう気分?」

「はあ?俺がヤラれるわけ…」

「あの女、これから公開レイプでもしようと思うんだけど」


後ろ姿の澤田がわたしに親指を向けると、深瀬くんと目が合った。

その瞬間、深瀬くんはよりいっそうの怒りを全身に纏わせたようだった。


今更だけどこんな姿を恋愛対象の彼に見られるなんて、わたしって悲惨すぎじゃない?


もはや恋愛自体、わたしは向いていないのだろうか。