こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

「しゃーねーだろ。お前がそれでも深瀬と離れねぇんだから」


……。


「確かにそうだけど…って、三人はその澤田って人と同じ学校なんでしょ?どうしてわたしを気にかけてくれるの?」


『確かにそうだけど』


なんだってこいつは俺にそこまで執着すんだよ。


意味わかんねぇよ。


「俺ら別に澤田のこと好きじゃねぇし」

「つーかうぜぇんだよな」

「大して強くもねぇのにいきがってイラつくんだよ」

「あ…そうなんだ」

「その澤田より弱ぇくせに何言ってんだよお前ら」


ったく、イキがってんのはどっちだよ。本当に笑える奴らだな。


「あ゛あ゛?!」

「うるっせぇよ!澤田なんか本気になればいつでも勝てんだよ!」

「だったら早くその本気っての見せろよ。どうせ口だけだろうが」

「てめえ!」

「ダーリン!」


三人が俺に向かい合いケンカになりそうになった直前、逢川は止めようとしたのか割って入ってきた。


殴りかかろうとする俺を、全身で抑え込む。その行動に俺は更に怒りが増し、加減なく怒鳴りつける。


「どけ!邪魔だくそ女!」