こっち向いて、ダーリン。【改訂版】

本鈴に気づかなかったよ!


担任が来たので茉希と急いで着席。


──それから昼休みになるまで、森野は一度もわたしの方を振り向かなかった。


席替えをしてから数え切れないくらい、授業中など関係なくわたしにちょっかいをだしてきていたというのに、どういう風の吹き回し?


…昨日のこと、本当に怒ってるのかな。


「咲良元気なくない?」

「いつものはっちゃけがないね」

「静かというか悩ましげというか」

「静かな咲良って不気味なんだけど」

「歯が痛くてご飯食べれないの?」


教室でお弁当を囲みながら、なにやらみんながわたしに対して失礼な発言をしているというのに、当のわたしは全然耳に入っていなかった。


それどころか完全に手も止まっていた。口の中には何度噛んだかわからないご飯がまだ残ってる。

視界もぼやけてる。


──森野がおかしい。

おかしいおかしいおかしい。


人がこれほど普段と違ってしまうと、無性に気になり、そして心配になる。


まさかね、わたしが原因とかはないよね。それはさすがに自意識過剰ですよね。


…でも。


思い当たることが少しでもあるから、どうしても気になってしまう。