「茜と葵ってさ、幼なじみだけど、全然タイプが違うよね。茜はいかにも明るい太陽!って感じだけど、葵はクールで、静かな月って感じ」
「なにそれ」
「月も、笑うと綺麗だよってことじゃん」
菜々は言った。
茜が太陽なら、わたしは月。なんとなく、妙にしっくりくる感じだ。
茜の発する光を受けることで、やっと存在を見つけてもらえるわたしは、やっぱり月なんだろう。
「あたしは、月も好きだよ」
「えっ」
「茜も、葵も、どっちも好きだよってこと!」
菜々はそう言い残して、自分の席に戻っていく。教室に担任の先生が入って来る。いつもと同じ風景なのに、なんだか今朝はなにもかもが新鮮で、いつもとは違って見える。
面倒臭いだけの学校も、わたしを茜のおまけ程度にしか見ていないと思っていた友達も。



