今夜、きみを迎えに行く。





学校に着いて、茜と別れて自分のクラスの自分の席についてからも、頭に浮かんで来るのはシュウのことばかり。



「葵?どしたの?なんかいいことでもあった?」



菜々が声を掛けてきた。菜々はわたしの隣の空いている席にどかんと座る。



「えっ何で?」



「えーだって、なんか、葵、顔色いいし。珍しくニコニコしてるもん。恋でもしたのかなぁと思って」



菜々はけらけらと笑っている。ていうか、珍しく、ニコニコしてる、ってどういう意味だ。



「え、ていうかわたしって、いつもそんなに機嫌悪そうな顔してるの…?」



不安になってたずねてみると、菜々は「うーん」と首を捻る。



「そうかも」



「嘘っ、そうなんだ…」



「機嫌悪そうっていうか、クールっていうか、とっつきにくいイメージはあるかもね」



「…そうなの…?」



そんなイメージを持たれていたことに驚くのと同時に、菜々がそんなわたしにもいつも優しく話し掛けてきてくれていたことに感謝したい気持ちになる。



「あ、でも、今日はそんな感じはないよ。いつもはクールだけど、今朝はなんか、なんてゆーか、いつもより可愛いと思う」



菜々が大真面目にそう言ったので、「なにそれ」と言いながら思わず笑った。



「ほらほら、その顔だよ!葵ってさ、笑うと可愛いじゃん。もっと笑えばいいのに」



菜々がほっぺたをつついてくる。



「やめてよ、もうっ」



手を払うと、菜々があははと笑った。