今夜、きみを迎えに行く。





わたしたちが自転車で追い越していく同じ学校の友達は、いつもと同じように「おはよう」と声を掛けてくる。

それが茜にだけ向けられた「おはよう」だとしても、そんなことは今朝はちっとも気にならない。



「おはよー」



「おはよ!」



茜が元気な声で返している横で、わたしも茜の友達たちに向けて「おはよう」と言ってみる。



すると、茜の友達も笑顔で「おはよう、葵!」と返してくれた。



茜の友達がわたしの名前なんて知っていたんだと少しびっくりしたけれど、なんだかそれだけですごく嬉しい気持ちになる。



「おはよう」



「おはよう!」



「おはよう!」



茜のファンの男の子たちにも、茜と一緒に挨拶を返した。いつもは卑屈になってばかりだけど、今朝は不思議とそんな風には思わない。



こうしてたくさん挨拶をしたら、シュウが褒めてくれそうな気がするし。



卑屈になってばかりの女の子より、シュウもきっと、笑顔で挨拶する女の子のほうが好きだと思うし。



それに、シュウは、わたしの笑った顔がかわいいと言ってくれていたし。



あれ。わたし、なんだかシュウのことばかり考えてる?



他の男の子を見るたびに、シュウと比べてしまっている。シュウならこんな風に笑うだろうな、シュウの制服姿はどんなだろうなと想像してしまう自分がいる。