課題3、①食べた食器は自分で洗う。
何年かぶりに完食した朝ごはん。
食べ終わった食器は重ねて、洗い場に運ぶ。
「葵、何してるの」
祖母に朝食を運んで戻って来た母親が驚いた顔で言った。
「え、と、食器を、洗おうかなって」
途切れ途切れに答えるわたし。
「…今日の葵はどうしちゃったのかしら」
不思議そうにしながらも、やっぱり少し嬉しそうな母親の顔。
「じゃあ、お願いするわね」
母親が笑う。
「お母さん、あの、お願いがあるんだけど」
わたしは言った。こんなこと、今までは考えたこともなかったようなこと。
「何?お願いって」
「え、と、おにぎり…作って」
「まだ食べるの?!」
目を丸くする母親。「…そうじゃなくて」とわたしは食器を洗いながら答える。
「おにぎりは、茜のぶん。今から茜を迎えに行くの」
わたしの言葉に、母親は目を細めて「わかったわ」と頷いた。
「鮭、入れてね。あと、こんぶも」
「はいはい」
母親はやっぱり嬉しそうだ。わたしが洗い物をする隣で茜のおにぎりを準備する母親。



