「ずいぶん早くに起きてたみたいだけど、どうかしたの」
リビングに着くなり母親が、振り返って不思議そうな顔をして言った。
テーブルに並んだ朝ごはんを見ると、更に食欲がわいてくる。
「いやべつに、何となく、今日は早起きしてみよっかなって…」
「葵が?珍しいこともあるものね」
心なしか、母親の表情が少し、和らいだような気がする。
「お腹すいた」
待ちきれなくて、自分で茶碗にご飯をよそう。ぴかぴかつやつやの炊きたてご飯。見るからに美味しそう。
「葵が朝からお腹すいたーなんて、いったいどうしちゃったの」
母親が、ご飯を山盛りにしているわたしを見て笑った。
わたしのことを見て、母親が嬉しそうに笑ってくれている。そのことが、ちょっぴり嬉しい。
「お母さん」
「何?」
山盛りご飯を持ってテーブルについて、手を合わせる。
「あの、いつも早起きして朝ごはん作ってくれて、…ありがとう」
言えた。自然に出てきた言葉に驚いたけれど、とりあえず課題4、クリア。
母親は目を丸くして、「どうしちゃったの」と呟いた。
わたしはなんだか恥ずかしくなって、「いただきます」とご飯を食べ始める。
朝ごはんって、こんなにも美味しいものだったんだ。
早朝の庭掃除ですっかり空腹になったわたしのお箸は止まらず、何年かぶりに朝ごはんを完食した。



