「相手のことを知ろうとすることが大切だって、言っただろ?アオイのお父さんやお母さんの気持ちを知るには、どうすれば良いと思う?」
シュウはわたしに容赦なく難しい問題を投げつけてくる。でもそれがシュウの言葉だから、わたしはその難しい問題を真剣に考えた。
「…わかんないよ、そんなの」
「ほらほら、アオイの悪い癖。なんでも人に考えてもらおうとするのはよくないよ」
「考えてるよ。考えても難しすぎてわかんないんだもん」
「それなら」とシュウはいった。
「アオイにぼくが、課題を出すよ。課題の提出期限は一週間後。一週間後、またここに来るからそれまでに、ぼくがこれから言うことを実行すること。いいね」
「なんで課題?うそでしょ?学校の課題だってあるのに…」
「ほらほら、甘えない。やろうと思えばなんだって出来るもんだよ。まだ若いんだから」
シュウの口調がまるで世話焼きおばさんみたいで少し笑った。
「まだ若いって、シュウはわたしといっこしかかわらないじゃん」
「人生経験の量が違うよ、ぼくとアオイではね」
シュウは得意気にいった。長く入院していたシュウはきっと、わたしの想像もつかないような経験を沢山しているのだろう。
わたしは、目の前の先輩の言うことを、素直に聞くことにした。



