今夜、きみを迎えに行く。






「ぼくは、嘘はつかないしお世辞も言わないよ。もっと、自分に自信を持てば良いのに」



「初対面のあなたに、なにがわかるんですか」



口にしてしまってから、はっとした。

わたし、またひどいこと言った。わたしのほうこそ、初対面の人になにをむきになっているんだろう。



本当に、可愛くない。最低だ。



恐る恐る彼の顔を見ると、案の定、とても悲しそうにしていた。



こんな風だから、親からも愛されないんだ。そう思うと、泣きそうな気持ちになった。




「…ごめんなさい」




「きみが謝ることないよ。ぼくが、馴れ馴れしくおかしなこと言ったから」




「でも」と彼は続けた。




「たしかに、きみにとってぼくは初対面かもしれないけど、ぼくはきみのことなら理解してあげられる自信がある。ぼくときみって、すごく似ていると思うんだ」




彼はいつのまにか笑顔に戻っていた。

あまりにも、自信満々の顔で彼が言ったから、わたしは少しおかしくなってしまった。わたしも彼につられて笑う。




「意味がわかりません。似てるとも思わないし」




「そのうちにわかるよ。きみとぼくは、きっと似た者同士だ。その憎まれ口の叩きかたもね」




彼はやっぱり自信満々だ。




本当に、変な人。




だけど、わたしはほんのすこし嬉しかった。

自分でもなぜだかよくわからないけれど、彼に似ていると言われたら、この大嫌いな自分の性格も、悪くないような気がする。




「シュウさんって、変な人」




「シュウ、でいいったら」