わたしはシュウとした約束、一週間の約束だったあの課題を、今でもずっと続けている。
毎日一時間の早起きは、もうとっくにわたしの体内リズムとして染み付いた。目覚まし時計をかけなくても自然に窓から差し込む光で目が覚める。
冷たい水で顔を洗って、わたしは毎朝、庭に向かう。
一年前に初めて植えた花の種は、芽を出し花を咲かせ、また新たな種をつけた。園芸の本を読んだり花屋さんに教わって、少しずつ庭仕事にも慣れたわたしはまた新しい花の苗を買い、おばあちゃんの花壇に植えた。
毎朝せっせと世話をすることで、わたしの植えた花たちは、おばあちゃんが大切にしていた庭を少しずつ彩っている。
庭から見えるおばあちゃんの部屋にはもうおばあちゃんの姿はないけれど、ときどきわたしは仏壇から見えるように窓とカーテンを大きく開けてみる。
おばあちゃんの部屋のカーテンが風で大きく舞い上がる。
わたしが育てた花の香りが、おばあちゃんとおじいちゃんにも届くといいな、と思う。



