「──凪沙、最近表情明るくなったよね?」




「え?」




席替えが行われてから2週間後。

今日も、朝から凪沙の隣の席に座って他愛もない話をしていた。



そんな時、凪沙の表情が前よりも明るいことに気付き私は何気なくそう口にした。






「……そ、そんなに変わらないと思うけど……。」




凪沙は少し頬を赤く染めて、俯く。



「いやいや、これも湊くんと一緒にいるお陰だよね!」



「へっ……!?」



「だって最近湊くんと二人で行動すること多いでしょ?」



「そっ、そんなのっ……たまたまだよっ……。」





凪沙は顔を真っ赤にして、両手で顔を覆い隠す。

え、待って。

何この可愛すぎる反応。

羨ましすぎる。






「そろそろ告白しても良いんじゃない?」





私がニコニコしながらそう言うと、ピタッと動きが止まる。





「告白は……。」




「あんなに一緒にいるし、湊くんもすごく凪沙の事気にかけてる感じだしね!!ここは一つ、勇気を振り絞って……ね?」





気づけば、凪沙の顔色が普通に戻っていた。


そして、その瞳はいつもより酷く冷たい。





「──良いの。」