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「──おーう。メリークリスマース。」



気だるげな様子で出てきたのは、私の恋人である幸坂直登。


ボサボサの頭に、眠そうな顔。


ゆったりとしたシルエット。




「……おはよう。」


「おー……。」


「今起きたの……?」


「インターホンの音で目覚めた。わりぃ。」


「サイテー。」


「知ってる。」





せっかくのクリスマス。

二人で出掛けると言ったのに、時間になっても迎えに来なかった直登。

しびれを切らして迎えに行ってみればこれだ。



内心イライラしながらも、少し安心している自分もいた。

恋人になってからのクリスマスって、ずっとドキドキして、緊張していないといけないと思ってたから……まあ、いつも通り朝の弱い直登で良かった。