その熱き友情の成立の間近に佇む私に水谷くんは目を向けると、そのまま大地に目線を動かし、口を開いた。


「もしかして彼女?」


「まさか、ないない。家が隣なだけで世間で言う幼なじみってやつ?」


そう、大地は特に恥ずかしがることもなくあっさり否定した。


思い返せば何回こういう会話を繰り返しただろう。


それは周りからはそういう風に見えてるんだっていう嬉しい気持ちもあれば。


その一方で付き合ってるという事実を思いっきり否定しなければいけない虚しさ。


正直、いつも複雑な気分になる。