あいなの気持ちを察し、ルイスは穏やかに告げる。
『あいな様が悲しむようなことは極力避けたいと思っております。龍河様と秋葉様はご無事でいらっしゃいますよ。近い日に、あいな様はそれを知ることになりましょう』
「ルイスさん……」
ルイスの優しさに安心感を覚える一方、あいなの疑問も同時に膨らむ。
「あなたはシャルの専属執事なんですよね?アイツの言うことは何でも聞くんですよね?なのにどうして、私にそこまでしてくれるんですか?
秋葉達が来てくれるのは嬉しいけど、シャルに内緒ってことは、そのことをシャルが知ったらルイスさんは怒られるんじゃないですか?」
ずっと、引っ掛かっていたこと。シャルの専属執事を名乗るわりに、ルイスはあいなの話をよく聞いて、親切に対応してくれる。あいなはそれを不思議に思っていた。
晴れやかな声音で、ルイスは答える。
『ご心配には及びませんよ。あいな様は、ご自身のことだけをお考えください。シャル様に仕える私が、このようなことを口にしてはいけないのかもしれませんが……』
ためらうような沈黙の後、ルイスは言った。
『このようなことになり、戸惑うあなたのお気持ちはよく分かります。私でよければ遠慮なく何でもご相談ください。あいな様には幸せになっていただきたいのです』
「あっ、ありがとうございます」

