少し気になるのは、両親や学校のこと。そして、秋葉のことだ。みんな、自分がいなくなって心配しているに違いない。
ルイスとの会話で、龍河の無事は分かった。しかし、秋葉のことは何一つ聞けていない。
(もしかして、秋葉や龍河も、私と同じように無理矢理この城に連れてこられるってこと!?ルイスさんは魔法使いだし充分ありうる話だ。私にしたみたいに、秋葉や龍河にも眠りの魔法を使うつもりだったりして!!)
焦る思いで、あいなは部屋の内線を使った。執事達に直につながる通信手段。見た目は、日本の家庭用電話機と似ていたので、さほど抵抗なく使うことができた。
『はい。あいな様。どうされましたか?』
幸い、内線にはルイスが出た。
「あの!ちょっと確かめたいことがあるんですけどっ」
『ずいぶん慌てておられますね。私にお答えできることであればいいのですが……』
「ルイスさんにしか訊けないことです!さっき、ルイスさん言ってましたよね。秋葉と龍河がこの城に来るって。それって、ルイスさんがシャルに内緒であの二人を連れてくるってことですか?」
『いえ、私の力でお連れするのではございません。シャル様の指示以外で魔法を使えば、どのような罰を受けるか分かりませんのでね』

