祥はあの日、わたしたちも観た光景をつぶさに語った。
紅蓮殿は謀叛のことには触れず、王子の身体の中に光が入ったことを話した。
「あの翌日から王子は丸2日目意識がなかった。覚めた時、王子の足は動かなくなっていた。そうだな、凛音」
「──はい」
しずしずと頷く。
「闘神祭の奉納試合は王族男子の務めで、女王騎士の健在を披露する絶好の機会だ。王子にとっては棄権する訳にはいかないし、負けられない試合だ」
「だからといって、そんな状態で」
祥は紅蓮殿の腕に掴みかかって叫んだ。
「数ヶ月前から不穏な事件が頻発していて、闘神祭前でもあり、警戒していたんだ。両陛下が王子に西の都の視察を命じられたのも、異変を察知してのことだ」
落ち着きを取り戻し、聞き入る祥の目が真剣さを増していく。
紅蓮殿は謀叛のことには触れず、王子の身体の中に光が入ったことを話した。
「あの翌日から王子は丸2日目意識がなかった。覚めた時、王子の足は動かなくなっていた。そうだな、凛音」
「──はい」
しずしずと頷く。
「闘神祭の奉納試合は王族男子の務めで、女王騎士の健在を披露する絶好の機会だ。王子にとっては棄権する訳にはいかないし、負けられない試合だ」
「だからといって、そんな状態で」
祥は紅蓮殿の腕に掴みかかって叫んだ。
「数ヶ月前から不穏な事件が頻発していて、闘神祭前でもあり、警戒していたんだ。両陛下が王子に西の都の視察を命じられたのも、異変を察知してのことだ」
落ち着きを取り戻し、聞き入る祥の目が真剣さを増していく。



