否定しなきゃと思うのに、言葉が出なかった。
「本当のことを話してよ。王子は何で湯治に行くのか。凛音、王子には聞いたと言わないから」
「ごめんなさい。話せない」
「一緒に旅をするのに、何も知らないではダメだろう。もし、動けなくなるような病気なら尚更、知っておく必要があるだろう」
ごめんなさいと言い続けて俯いていると、紅蓮殿がわたしと祥の前にどっしりと座った。
「凛音、隠しても無駄だ。奉納試合後、救護室に向かうところを観られているんだからな」
祥は身を乗り出して紅蓮殿が話し出すのを待っている。
「祥、お前は朔の晩に王宮から昇った光、見ているか?」
「朔……あの日は寝つけなくて同じ部屋の奴らと闘神祭の賭けを話していて、いきなり派手に揺れて窓の外を観たから覚えている。でっかい光の柱が王宮の中央辺りから昇って」
「本当のことを話してよ。王子は何で湯治に行くのか。凛音、王子には聞いたと言わないから」
「ごめんなさい。話せない」
「一緒に旅をするのに、何も知らないではダメだろう。もし、動けなくなるような病気なら尚更、知っておく必要があるだろう」
ごめんなさいと言い続けて俯いていると、紅蓮殿がわたしと祥の前にどっしりと座った。
「凛音、隠しても無駄だ。奉納試合後、救護室に向かうところを観られているんだからな」
祥は身を乗り出して紅蓮殿が話し出すのを待っている。
「祥、お前は朔の晩に王宮から昇った光、見ているか?」
「朔……あの日は寝つけなくて同じ部屋の奴らと闘神祭の賭けを話していて、いきなり派手に揺れて窓の外を観たから覚えている。でっかい光の柱が王宮の中央辺りから昇って」



