陽射しが肌を刺すように照りつける。

地面からの照り返しで陽炎が立ち、灼けるほどに暑かった。

「王子!」

私は物心ついた頃、行き倒れていた所を王に拾われた。

王子と年も近いだろうと、すぐに王子のお相手役となり、共に学問を習い剣の修行を仰せつかった。

王子は筋がいいのか、剣の修行を始めて数年で頭角を表した。

王子が10才の誕生日に、王の推薦で騎士団に入団されたのを機に、私も騎士団への入団を命じられた。

以来、王子と共に騎士見習いをし、王子護衛を命じられている。

幼い頃から人一倍負けん気の強い王子は、いつも修行で疲れ果て動けなくなるまで黙っているような人だ。

「疲れているのはお前だろ、一緒にするな」

後ろを振り返り、憎まれ口を叩く王子の顔が火照っていた。

「暑いな……喉がカラカラだな」

掠れ気味の声が疲れを物語っていた。